蛙塚(かわずづか)のいわれ:
橘諸兄が三本足の蛙を祀ったからと伝えられる。三本足の蛙は、青蛙神(せいあじん)と言われ中国の霊獣で縁起の良い福の神といわれている。
江戸時代には、この付近に覚音阿闍梨が玉井寺(ぎょくせいじ)を建立した。「玉井」と「玉水」は同じ意味だとされる。
明和5(1768)年に、蛙塚が建てられたが、明治5(1872)年に玉井寺は廃寺となる。
蛙塚は、奈良(大和)街道の道筋にあって、その湧き水は、古来より旅人が利用している。

蛙塚(かわずづか):
井手は歌枕(「玉井」「山吹」「蛙」)の地として有名であり、和歌の中に、蛙に関するものが83首ある。
鴨長明の歌論書『無名抄』には、
・井手の蛙は大きさが普通の蛙と同じくらい
・色は黒くさほど飛び歩かず
・いつも水の中にいる
・夜がふけるとその泣き声は清らか
・人の心をしみじみとさせる
→ 井手の蛙とは「カジカガエル」と思われる。
石標「井堤蛙旧蹟」右側面 紀貫之『家集』
『音にきく 井堤の山吹みつれども 蛙の聲は かわらざりけり』
歌碑「新古今和歌集」 藤原興風(おきかぜ)
『あしふきの 山吹の花散りにけり 井手のかはづは今や鳴くらむ』





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