国宝・重要文化財に新たに指定すること
文化審議会の答申:
琵琶湖の湖水を京都へ疏通し、舟運、灌漑(かんがい)、防火、発電、水道といった多岐の機能を果たす長大な運河の構成施設。
西洋技術の習得過程にあった明治中期において、当時の土木技術の粋を集めて築かれ、世界的に高い評価を得た類い希なる構造物であり、明治日本における都市基盤施設の金字塔。
自然と人工、伝統と近代の景観が織りなす京都の比類ない風致を育んだ琵琶湖疏水の代表的遺構であり、文化史的意義も極めて深い。
また、近代の土木構造物としては、初めての国宝となる。
指定の概要:
重要文化財・国宝:24か所(16か所、4基、4棟)
うち
重要文化財:19か所(12か所、3基、4棟)
国 宝: 5か所( 4か所、1基)

当時の京都(背景):
1 遷都で公卿、役人、商人そして有力町人が東京・大阪へ転出
→ 人口が、33万人(明治3年)から約23.8万人(明治4年)に激減(28%減)
2 特権産業(御用達)が消滅 → 産業が衰退
3 産業の振興と、(京都市民が失いかけていた誇りと自信を取戻して)疲弊した京都を再建
建設の7つの目的:<明治16(1883)年 起工趣意書>
1 製造機械 水の力を利用して機械を動かし、新しい産業をおこす
2 運 輸 琵琶湖と大阪の間に舟を通すことで、輸送が便利になる
3 田畑の灌漑 米や野菜がたくさん作れる
4 精米水車 水車を増やし、たくさんの米を精米する
5 防 火 防火用水を整備し、火事からまちを守る
6 井 泉 井戸が枯れても困らないよう、飲み水に利用
7 衛 生 きれいな水を流して、まちを清潔に保つ

琵琶湖疏水:
1 京都府の年間予算の約2倍(現在換算で約2兆円)の予算
2 工期は、4年10ヶ月
3 日本人だけで建設された日本最初の大規模な土木事業
琵琶湖疏水とは
第1疏水:滋賀県大津市三保ヶ崎から蹴上船溜り(8.7km) 明治18年〜明治23年
鴨東運河:蹴上船溜りから川端通交差(2.4km) 明治18年〜明治23年
鴨川運河:川端通交差から伏見(8.9km) 明治20年〜明治23年
疏水分線:蹴上付近から分岐、北白川を経て堀川に至る(8.4km) 明治20年〜明治23年
・増大する電力需要に間に合わなくなってきた
・市民の飲料水が質・量ともに問題となった
第2疏水:第1疏水の北側を全線トンネルで並行(7.4km) 明治41年〜明治45年



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