岩倉具視を輩出した公家・岩倉家の菩提寺
寛文9(1669)年に、伏見宮貞致(さだゆき)親王が、生母の菩提を弔うために「声実庵」という名で創建した。当初は天台・華厳・真言・禅の四宗兼学の道場であった。
元禄14(1701)年に消失したが、宝永3(1706)年に伏見宮邦永(くになが)親王の生母である慈眼院殿が再興し、法名から現在の寺名に改めた。
宮準門跡の寺格がある。
重森三玲の作庭
昭和41(1966)年に重森三玲が作庭した枯山水庭園がある。
玄関前にある「心月庭」と、本堂前の石庭「心和の庭」の2つの庭園。

浮かれ猫(出水七不思議)
弁天堂に掲げられた絵馬の猫が、近くの遊郭から三味線の音が聞こえると女性に化けて踊り出すことから、それを見た人たちは大騒ぎとなった。
住職は法力で猫を絵馬に封じ込めたが、その日の夜遅くに正装をした武士が現れ、「私は絵馬の猫の化身だが、絵馬に封じ込められて、とても不自由な思いをしている。これからは、世間を騒がすようなことはしないので、どうか許してもらいたい」と住職に懇願した。
哀れに思った住職が戒めを解くと、それからは、浮かれ猫の姿を見たものは誰もいなくなった。



コメント